侘びと寂
「侘び(わび)」は茶道・俳句に見る質素な風情と枯淡の美を表し、「寂(さび)」は閑寂な風情、古びて趣がある深い美しさをいいます。
桃山時代(1574~1602)信長、秀吉に仕えた茶人、千利休は豪華な書院や庭園ではなく、草庵と路地の中に新しい美を発見し、草庵風の茶室を完成させました。その建築材料は、砂壁、土壁、面皮(めんかわ)、皮付きの柱、竹、葦(あし)、木賊(とくさ)に及び、自然のままの姿を使い、道具や茶人の服装も枯色で茶道の精神を表現しました。草庵の広さは3帖程の天井の低い狭い空間でした。戦乱の世に生きた武士たちは、外に刀を置き、小さなにじり口から茶室に入りました。その狭くて質素な茶室で一輪の花を愛でお茶を飲むことで、心の鎧も脱ぎ捨てて平安(ストレス解消)を得たのではないでしょうか。
こんな心落ち着かせる小さな空間を現代の住宅に生かせる方法を考えてみたいと思っています。
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