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2007年1月12日 (金曜日)

チタンの話

いぶし瓦屋根の軒先に銅板の一文字葺きをした家はとても素敵な佇まいですが、最近になり問題が発生するようになりました。それは、瓦を伝い流れる雨水が銅板を腐食させ、穴が開く現象がおきているのです。原因は酸性雨に含まれる酸がいぶし瓦の成分を溶かし腐食させているのではといわれています。腐食した銅板の成分が溶出した雨水は苔や微生物を殺し、浄化槽に流れ込めばバクテリアが死滅して浄化機能も無くなってしまうのだそうです。

そこで大工棟梁、木下孝一氏は金閣寺茶室建設の際、メーカーと協力してチタンの屋根材を開発し用いました。チタンは高価で加工も難しい素材ですが、半永久的に腐食や劣化をおこさず酸性雨にも大丈夫です。数百年先まで見越した建物には、伝統に先進の材料や技術を加える匠の情熱によってつくられているのですね。

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